平成27年10月23日
つばさクリニックの見学を終えて
倉敷市保健所保健課総務係 保健師 河本伊津子

この度は、お忙しいなか見学の機会をいただき本当にありがとうございました。
わたしは、中川先生のチームで主に小児患者さんの訪問に同行させていただきました。
これまで保健師として障害のあるお子さんの家庭訪問や、障害児の親の会の担当をさせていただいた経験はありましたが、医療依存度の高いお子さんの在宅での生活に接する機会はそれほどありませんでした。
往診ではない「訪問診療」という定期的な訪問という形を取ることが、良い時も悪い時も含め病状を把握していける事、医療が切り口であっても生活全体(お子さんにとっては発達全体)を捉えた包括的支援につながることを強く感じました。また、訪問のシステムも大変練られたものであることがわかりました。限られた医療資源をより多くの患者さんに提供するために、記録様式・訪問スタイル・ドライバーさんの導入・24時間対応の当番体制とTEL応対方法、薬局の役割など、随所に工夫が見られ本当に感心しました。介護者への予防接種なども含め、きめ細やかな対応と心遣いの感じられる、対象者に安心を提供するシステムだと感じました。ご本人・ご家族の信頼を寄せた穏やかな表情が印象的でした。
ご存知の通り、2025年に向け、医療供給への危機感が今後増していくことが予想されます。患者さんご自身やご家族のニーズも多様化し個別性の高い事例も多いです。その中で現在あるせっかくの良いシステムが疲弊しない様に考えていく役割が今、行政に求められています。医療介護連携の仕組みづくりが喫緊の課題でありますので、今回経験させて頂いたことをしっかりと活かしていきたいです。また、介護者レスパイとの課題など、所内でも共有する機会を持ちたいと考えています。
現在、倉敷市保健所には89名の保健師が在籍しており、毎年数名の新採用保健師が就職します。近年は病院実習時間も少なく、在宅での経験はほぼ皆無という中で家庭訪問へ…という状況です。ご負担をお掛けしない程度で構いませんので、ぜひ新人研修の一環として訪問診療の見学をさせて頂けると本当にありがたいです。在宅で療養されている患者さんの姿に触れる事で、自ら感じ取って、保健師としての幅を広げてほしいなと考えております。

今後、行政保健師でお役に立てそうな事がございましたら、ご一報くだされば、担当者に責任をもって引き継ぎますので、お電話ください。

本当にお世話になり、ありがとうございました。職員皆さんの表情が活き活きされているなと感じ、自分も見習わなくては…と思いました。今後ともご指導よろしくお願いします。