初期研修医 2年目  藤原 敦史
現在私は元の研修病院に戻って小児科研修を送っています。9月につばさクリニックで研修していたことが今でも懐かしく思い出され、またつばさクリニックで勉強させていただいたことがいかに大切だったかを改めて考えさせられているところです。
特に、1カ月研修してみて印象に残ったことを上げてみたいと思います。

1.本当の意味での「チーム医療」の大切さ
今までの病院の研修では、「チーム医療」とはいっても医師がアドバンテージを持って物事を進めていくという要素が強いように思いますが、患者さまが在宅で「療養」していくにあたって、医師が行う「治療」という行為・時間は患者さまが過ごす時間の中でほんのわずかな一部分にすぎず、残りの大部分は家族と過ごされたり、訪問看護の看護師さん・家事介助のヘルパーさんと関わったりする時間で占めているんだということに改めて気付かされました。
また療養にあたって、そういったコ・メディカルの職種の方からの情報提供であったり、療養上の提案をいただいたり、担当者会議で意見を交換したりと、みんなで患者様に何が必要か考えていく・全員で対等な立場で患者さまを支えていくんだという雰囲気を感じました。

2.患者様・家族の方とのコミュニケーションの大切さ
病院では、常にスタッフがおり、何か患者さまにあった時は医師・看護師なりにすぐに伝えることができますが、在宅医療では何か不安なことがあった時には家族の人が「第一発見者」になるわけで、それが医療者にとっては些細なことでも家族にとっては重大なことであり、不安につながっていく。その不安をぬぐうために、日ごろから何でも相談できる雰囲気を常に心がける必要があると改めて認識しました。その雰囲気を作るためには信頼関係が必要であり、その信頼を構築し、維持することの難しさも感じました。
今私は、小児科で研修していますが、小児科は特にご家族とのコミュニケーションが治療上重要なことが多く、「ご家族がいま何を一番不安に思っている か」を考えながら日々診療に当たるようにしています。

3.在宅・訪問診療に対するニーズの多さ・訪問医療の多様性
研修するまで、訪問診療=往診じゃないの?と漠然と思っていましたし、往診=血圧測って聴診するぐらいしかできないのかなと思っていました。実際訪問診療につかせていただいて、病院とほとんど変わらないような管理・処置が家にいながら行うことができることに驚きを感じました。さまざまな処置・治療を見学させていただく中で自分の中の「在宅・訪問診療」の閾値が下がったのは収穫だったかなと思っています。逆に病院に勤務する医師として、「訪問診療」のオプションは必ず知っておかなければならないのではないかと思います。
1か月の間でしたが、お世話になりました。この1カ月を必ず無駄にしないように、々成長できる医師になれるように精進していきます。